第2回
秋の食生活のポイント

今年(令和5年)の夏は、これ迄にない暑さと集中豪雨や台風に日本列島が見舞われ各地で多大な被害が生じている。それでも季節は秋へと進んでいく。四季のある日本は季節により、自然環境に変化があり、それが楽しみでもあり、また私達の人体に影響を及ぼしている。夏の脱水症・熱中症対策から、秋の季節は乾燥対策が必要になってくる。また実りの秋でもあり、こめをはじめ、農作物の収穫で、食卓が賑やかになる季節でもある。


乾燥による影響とは

乾燥は呼吸をつかさどる肺をはじめ皮膚に影響を与える。乾燥により潤いが不足してくると、口、のど、鼻の粘膜の乾燥が進み、肺の機能低下により、咳や痰(たん)、息切れ、喘息など呼吸器疾患に注意することが大切である。寒さが加わると風邪もひきやすくなる。また肌の乾燥、髪のバサつきも気になる。


秋の食生活のポイントは

秋は、呼吸器官を潤す保湿に役立つ食材の使用や免疫力を高めるために胃腸の働きを調える食べ方が必要でお勧めしたい。胃腸の働きは呼吸器官に繋がっ ていると考えられている。夏の疲れは胃腸に不調や元気不足を招くので、食生活を見直すよい機会である。


免疫力を高める方法には

体内の免疫細胞の6割は腸に存在しており、免疫は食事と腸内環境とに密接な関係がある。免疫細胞を活性化させるには

秋に摂りたい食べ物と乾燥や胃腸に対して特徴的な作用

秋が旬の食材の中から主なものをピックアップすると

この中より乾燥や胃腸に対して特徴的な作用を上げると(薬ではない)、 は水分が多く甘みがあるので、乾燥に対してのどを守り、のどの痛み、咳や痰などに効果を及ぼす。ぶどういちじくも、のどの渇きを癒す。りんごにはペクチンが多く便秘にも下痢にも効果があり、またカリウムも多いので高血圧予防に適する。ぎんなんは肺を潤すので、から咳に効果を示す。里芋やまいもは胃腸の働きを高め消化吸収にすぐれている。

現在野菜の中には何時が旬なのか分からないくらい、1年中お店に並んでいる。温室栽培、輸入品、生産地の違い等分かり難いが、その季節に取れる食材を見逃さず食べたい。


腸内細菌が免疫力を高めるには

腸内に棲息している腸内細菌は多様性で1000種類100兆個ともいわれるが、その中で善玉菌として大切なのは乳酸菌とビフィズス菌である。


プレバイオティクス

腸内細菌が活発に生息するためには、餌栄養源となるものが必要である。それらをプレバイオティクスといい食物繊維、オリゴ糖、糖アルコール等である。

腸内細菌類が元気に生育出来る状態(腸内フローラ)を保つため、これらの素材を十分与えなければならず、即ち私たちは食事によりこれ等の素材を十分に摂取することが必要である。餌がなければ腸内細菌は育たない!

料理のヒント



食材それぞれには特有な成分があり、食べる事により何らかの効果があるが、食べる人の状態に適した選択が必要である。紙面の都合で書き尽くす事が出来ないが、質問があればどうぞご連絡いただきたい。

次回 上記の表について説明する予定である。

担当理事  飯塚美和子(管理栄養士)