倫理綱領

倫理綱領の考え方(案)

現行定款には倫理条項が数項目に渡って「会員の規範」として 挙げられている。 従来、医の倫理は、「時代を超えて不変」と考えられてきたが、 その基盤となる人間愛、ヒューマニズムなどの精神は不変でも、 その具体的内容に関しては、協会創立以来の半世紀近くの間に かなりの変容を遂げている。二十一世紀に入り、分子生物学、 遺伝子診断・治療、そしてすでに始まっている新しい生殖技術と それに伴う未知の倫理分野など、今後の変遷は推測をはるかに超える。 医の倫理も変化し、常識で必ずしも律しきれない時代に突入している。 倫理の項目は時代による変化に対応するために、定款に謳うより、 綱領として挙げ、時代と共に改訂した方が適切と考え、 「倫理綱領」としてまとめることとしたい。

以下に、倫理綱領を新設するにあたっての 基本的な考え方を記す。

( 前文)

本会の会員は以下に掲げる医療倫理の条項を銘記し、これに悖るような行為があってはならない。

( 条文)

第1条

患者の回復への最大限の尽力が使命であることを述べる。

第2条

患者の「心の回復」を忘れないことを述べる。

第3条

患者の福祉を最優先させることを述べる。

第4条

営利目的の否定を述べる。

第5条

患者の人格と権利の尊重について述べる。

第6条

患者の差別禁止について述べる。

第7条

患者への礼儀を失うことなく接すべきことを述べる。

第8条

患者には医療内容の説明を受ける権利があり、選択権は患者側にあり、患者の選択を誘導すべきでないことを述べる。

第9条

未確立の診断・治療法の試行には患者の同意が必要なことを述べる。

第10条

医療行為の記録と署名の必要性について述べる。

第11条

患者の知る権利について述べる。

第12条

患者個人情報の守秘義務について述べる。

第13条

患者には医療に協力する責任があることを述べる。

第14条

各医療職の相互協力について述べる。

第15条

専門領域の最新の知識・技術の習得努力について述べる。

第16条

新しく生じた倫理の問題に独断で対処せず、関連する倫理委員会の審議に付すべきことを述べる。

第17条

患者の尊厳死の意思への対処について述べる。